本を読んだり勉強をしても、なかなか行動に移せずに困ったことはないでしょうか。やった方がいいと分かっていても、何故できないのでしょう。正しいことができなくて、苦しむのは辛いですね。
それは実は、理解はしていても納得していないことが原因かもしれません。そこには大きな違いがあります。
今回はその違いと、どうしたら学んだことを実行できるか紹介します。
・分かっていてもなかなか行動ができない
・納得を増やして学びを自分のものにしたい
・正しいことを学んで実行したい
目次だよ
【理解と納得は違う】
まず「理解」と「納得」の言葉の意味から整理しましょう。
り‐かい【理解】 の解説
[名](スル)
1 物事の道理や筋道が正しくわかること。意味・内容をのみこむこと。「理解が早い」
2 他人の気持ちや立場を察すること。「彼の苦境を理解する」
3 「了解2」に同じ。
→了解 (りょうかい) [用法]
類語 分かる(わかる) 知る(しる)
関連語 把握(はあく) 解釈(かいしゃく) 分かり(わかり) のみ込み(のみこみ)
goo辞書より
なっ‐とく【納得】 の解説
[名](スル)他人の考えや行動などを十分に理解して得心すること。「納得のいかない話」「説明を聞いて納得する」
類語 得心(とくしん) 合点(がてん)
goo辞書より
つまり、理解はただ内容を把握することで、納得はそれを受け入れられるかどうかの違いです。納得は「やる気」と言っていいかもしれません。理解したことを行動に移すためには、納得もセットにしないとダメなんですね。
・理解しても納得ができない
勉強をして理解できたとしても、納得できるとは限りません。どれだけ正しいと思っても、それを自分の中に取り入れられるかは別の問題だからです。
「野菜を毎日食べた方が良いのは分かる。分かるけど、嫌いなものは食べたくない」
「運動をした方が良いのは分かる。分かるけど、身体を動かすのが億劫で仕方がない」
「早く寝た方が良いのは分かる。分かるけど、遅くならないと寝る気になれない」
頭では分かっていても、腑に落ちなければ、それを受け入れて実行するのは難しいです。もしも「自分は納得している」と思っていても、それが実行できていないのなら、まだ本心から納得してないかもしれません。
【納得ができない理由】
・正しさよりも好み
人がやると決めるときは、理性よりも単に好みで決める方が多いんです。人は自分自身が思っているよりも感情的だからです。それが正しいかどうかは関係ありません。
・好きなブランドの商品は詳しく調べなくても買ってしまう
・たまたまの出会いを運命だと感じてしまう
・悪い行いも仲間が習慣にしているから合わせてしまう
いくら理解しても、好みや直感や価値観に合うような納得ができないと、動きたいという気持は湧いてきません。好きじゃなければ避けたくなりますね。
でもそれは決して悪いことではりません。人は機械ではありません。感情はいつも自分と一緒にいます。
・やったことがないものに抵抗がある
そもそも、やったことがないことに抵抗を感じるのは当たり前です。人は昔から変化を拒んで生きてきました。新しいことをして、失敗して大きな損をするんじゃないか、怪我をするんじゃないか、命を落とすんじゃないかと不安がありました。新しさはその分恐怖も感じさせてしまいます。初めてのことに抵抗を感じるのは、生き残るために必要だったからです。だから何かを勧められても、「やったことがないから」と断ってしまったり、夢を持ったとしても、「実現出来るかわからない」と直ぐに諦めてしまうのは、ある意味当たり前なんです。
【自分を納得させるには】
理解と納得はセットでないと動けない。なら、どうしたら自分を納得させられるでしょう。それは感情を作ることと、実践して体感することです。
・感情を作る
人は感情で動く生き物です。感情を盛り上げると納得が生まれます。
①誰かに憧れる
成りたい存在がそこにあるなら、真似をして少しでも近づきたくなりますね。憧れる人が書いた本を読むと、直ぐにでも書いてあることを実践したくなります。誰かに憧れるのはそれだけで強い感情が生まれるんです。
②目標を持つ
目標は強い行動力を与えてくれます。思い焦がれ、欲することで力が湧いてくるからです。強い望みがなければ、ただ目の前のことしか考えられないのは仕方がありません。目標があるから、その先のためにすべきことが見えてきます。たとえそれが辛く抵抗を感じても、納得して進んで取り組めるようになります。
③自信をつける
自分には出来ると感じさせることで納得感が増えます。やったことがないものに対しても、出来ると信じればそれだけで行動できます。自信が増えるほど、理解してから納得して行動に移せる速度がどんどん上がっていきます。
もしも自信がないという人は、できるできないに関わらず、まずは取り組んでしまいましょう。実際にやって、その結果うまくいけばそれだけで自信が出ますし、うまくいかなくても改良してまた続けましょう。こうして取り組み続けることがそのまま自信に繋がります。
・実践して体感する
感情が湧かず、行動することに抵抗を感じる場合には、無理やりでも実践して体感するしかありません。矛盾していますが、実際にやって体感してから納得させるのが、実は一番の近道です。なぜなら、そもそもしたことがないことに納得できず抵抗を感じるのは普通なことだからです。始めは嫌でも、動くしかありません。半信半疑でも、動くしかありません。
①自分と約束をする
何をするにも、その前に決断が必要になります。大切なことも、そうでないことも、決断なしには取り組めません。動くためには、その瞬間に決断してしまうことです。きっかけはその一瞬だけあればいいんです。しかし、決めたときにそれを気持の中だけで留めないようにしてください。なぜなら良い方向に動こうと決断することもあれば、悪いと分かっててもそちらへ動こうと決断することもあるからです。一度決めたことは、書いて残しましょう。手帳でもカレンダーでもなんでもいいです。自分自身で書き残して未来の自分と先に約束しましょう。
②習慣を作る
実践をして、体験したとしても、すぐに納得できるとは限りません。むしろ、一度やっただけでは足りないでしょう。大事なのは、そのまま体験し続けることです。体験し続けて、ある程度の結果が出てようやく納得を感じられます。そのためには習慣作りが必要ですね。習慣の作り方については、過去の記事でも紹介しているので、参考にしてみてください。
③周りを変える
自分を動かしてくれる一番の力は、周りの力です。同じことを実践している人がそばにいたら、動くしか選択肢はありません。会社の中にいたらそう簡単にはサボれませんね。周りの力を利用すれば、嫌でも身体を動かすことができます。仲間を増やして、それを行うのが当たり前の環境にしましょう。
【伝えるのには限界がある】
正しいことだけを伝えたとしても、それだけで動けるとは限りません。なぜなら、正しいことを伝えるのと、やる気を出させることは違うからです。受ける側からすれば、「正しいことを知る」のと、「正しいことをする気になる」のは違うんです。そこから先は、受けとった人の中で感情を作り納得して全身に染み込ませる必要があります。そのためには、強い感情を作るのか、嫌でも動くように仕向けるかのどちらかしかありません。まずはこのことを理解しましょう。そして何かを納得したいのであれば、今からでも行動をしましょう。